都バス開業の日 (記念日 1月18日)
1924年(大正13年)1月18日、東京の街に初めて市営の乗合バスが走り出しました。開業からわずか4か月半前、関東大震災が東京を壊滅的に襲ったことがその直接の引き金でした。震災で東京市電の路線網は壊滅状態となり、復旧には長い期間がかかると見込まれたため、市電の代替輸送機関として急遽バスの導入が決定されたのです。最初に開業したのは2路線です。東京府荏原郡渋谷町(現・渋谷区)の神社前(現・宮益坂下)から東京市麻布区青山南町一丁目(現・港区南青山一丁目)を結ぶ「渋谷〜青山六丁目線」と、東京府荏原郡品川町(現・品川区)の品川駅前から東京市芝区日比谷(現・千代田区日比谷)を結ぶ「品川〜東京駅線」の2路線で、車両はアメリカから輸入したもので定員は10名でした。
当時のバスに乗務する車掌は女性が担い、「バスガール」と呼ばれました。鉄道や市電では男性乗務員が主流だっただけに、バスガールの登場は新鮮な驚きをもって受け入れられたといいます。開業初日は試乗客が殺到し、1月18日は朝から大変な賑わいだったと伝えられています。1924年3月16日には当初計画していた20系統・148kmの予定路線がすべて開通し、市営バス網は一気に整備されました。震災翌年という極めて短い期間でこれだけの規模の交通インフラを立ち上げた背景には、停滞する市民生活を一刻も早く取り戻したいという強い意志がありました。東京都交通局はこの開業日を記念して「都バス開業の日」を制定しています。
震災の代替手段として生まれた都バスは、その後100年以上にわたって東京都民の足であり続けています。現在は約590の路線を運行し、1日平均で約96万人が利用しています。