アダルトの日 (記念日 1月15日)
1947年(昭和22年)1月15日、東京・新宿の帝都座5階劇場で、日本初のヌードショーが幕を開けました。「額縁ショー」と呼ばれたこの演目は、舞台に大きな木製の額縁を設置し、その中に上半身を裸にした女性モデルがポーズをとるというもの。幕がわずか15秒だけ開き、また閉じる——それだけの内容でしたが、戦後まもない東京でたちまち空前の人気を集めました。
演目の名は『名画アルバム』。全27景で構成され、「ビーナス誕生」をはじめ西洋名画を活人画として再現するという趣向でした。初日の出演者は日劇ダンシングチームの中村笑子で、腰と胸をベールで隠すという条件付きでの参加。その後、当時18歳の甲斐美和が後任として登場し、長身で健康的なプロポーションが話題となりました。プロデューサーの秦豊吉は「芸術としての裸体表現」という名目で警察との摩擦を避けながら興行を続け、その甲斐あって連日定員の5倍にあたる約2000人もの観客が押し寄せ、劇場周辺には長蛇の列が絶えませんでした。終戦から1年余り、焼け野原から復興の途上にあった東京で、人々は束の間の解放感と刺激を求めていたのでしょう。
この熱狂は東京だけにとどまらず、全国各地で模倣ショーが続々と生まれました。しかし秦豊吉本人は、後続ショーが芸術的な意図を失い「生活感丸出し」の見せ物に変わっていくことを苦々しく思っていたといいます。額縁ショーはやがてストリップショーへと変化し、日本の興行文化の一角を形成していきます。上演は1948年9月まで約1年9ヶ月にわたって続き、当時の様子は写真家・林忠彦によって記録されました。その写真は現在、東京都写真美術館に収蔵されています。この日を記念して、1月15日は「アダルトの日」と呼ばれるようになりました。