半襟の日 (記念日 1月15日)
着物を着るとき、首元にちらりと見える白や色とりどりの布――それが「半襟(はんえり)」です。襦袢(じゅばん)の衿に縫い付ける替え衿で、その長さが実際の衿の約半分であることから「半襟」と呼ばれます。汚れやすい衿元を保護しながら、着姿のアクセントにもなる、和装において実用と美の両方を担う小さな存在です。
1月15日が「半襟の日」となったのには、いくつかの理由が重なっています。1月は1年のはじまりの月であり、「衿を正す」という言葉と結びつきます。また15日は「小正月」にあたり、長年にわたって「成人の日」として親しまれてきた日でもあります。振袖をはじめとする晴れ着を身にまとう若者たちの姿と、和装の要である半襟との縁は深く、この日を記念日とする根拠は自然なものといえます。制定したのは、京都半襟風呂敷和装卸協同組合。2001年(平成13年)のことで、一般社団法人・日本記念日協会によって認定・登録されています。
半襟の歴史は古く、平安時代の「掛け衿」にその原型があるとされています。もともとは衛生面・実用面からの工夫でしたが、江戸時代に入ると刺繍や絞り染めなど装飾的な技法が加わり、おしゃれを楽しむための小物として一般にも広まりました。素材は正絹・綸子・縮緬・絽・麻など季節や用途によって使い分けられ、フォーマルな場には白地のものが、カジュアルな装いには色柄のある半襟が選ばれます。
現代では着物人口の減少とともに半襟の需要も縮小傾向にありますが、この記念日には着物文化の活性化と半襟需要の振興という明確な目的があります。近年は若い世代の間で和装への関心が見直されており、SNS映えする半襟コーデなど新しい楽しみ方も生まれています。小正月のこの日、着物の衿元を彩る小さな布に目を向けてみるのもよいかもしれません。