タロとジロの日(愛と希望と勇気の日) (記念日 1月14日)

タロとジロの日(愛と希望と勇気の日)

1958年2月、第2次南極観測隊は悪天候による緊急撤退を余儀なくされ、昭和基地に15頭のカラフト犬を鎖につないだまま置き去りにしました。救出に戻れる見込みもないまま、犬たちは南極の極寒のなかに取り残されました。帰国した隊員たちは長い間、その死を確信していました。翌1959年(昭和34年)1月14日、第3次南極観測隊の乗る観測船「宗谷」から飛び立ったヘリコプターが昭和基地に着陸すると、2頭の犬が走り寄ってきました。第1次越冬隊で犬係を務めた北村隊員が「ジロ」と呼びかけると尻尾を振り、「タロ」と声をかけたもう1頭も反応しました。置き去りから335日、兄弟犬のタロとジロが生きていたのです。

残る13頭のうち7頭は鎖につながれたまま餓死し、6頭は首輪を抜け出して行方不明となりました。タロとジロがどうやって極夜の南極で生き延びたかは今も完全には解明されていませんが、アザラシなどを捕食して生き抜いたと考えられています。平均気温が氷点下20度を下回る環境での1年近い単独生存は、動物の生命力の驚異として記録されています。

弟のジロは帰国せず、そのまま南極で観測隊の仕事を続け、1960年7月9日に昭和基地で死亡しました。兄のタロは日本に連れ帰られ、北海道大学植物園で余生を過ごし、1970年8月11日に15歳で亡くなりました。タロの剥製は現在も北海道大学植物園に展示されており、ジロの剥製は国立科学博物館に収蔵されています。

タロとジロの生還は昭和の日本社会に大きな感動をもたらし、1983年には映画『南極物語』として映画化されました。主演は高倉健で、日本映画史に残る興行記録を打ち立てた作品です。1月14日は「タロとジロの日」または「愛と希望と勇気の日」として記念日に制定されており、生きることへの希望を忘れないための日として受け継がれています。