遺言の意味を考える日 (記念日 1月13日)

遺言の意味を考える日

2019年(平成31年)1月13日、相続法改正の一部が施行され、自筆証書遺言の作成方法が大きく変わりました。それまでは財産目録を含む遺言書の全文を自分の手で書かなければならなかったのですが、この改正により財産目録についてはパソコンで作成したり、銀行通帳のコピーや不動産の登記事項証明書などを添付することが認められるようになりました。「遺言の意味を考える日」は、この施行日に合わせて制定された記念日です。日付の由来は「遺(1)言の意味(13)」という語呂合わせで、記念日を制定したのは東京都港区高輪に事務局を置く一般社団法人・えがお相続相談室(のちにNPO法人「えがおで相続を」として登録)。2018年(平成30年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。

なぜこの改正が必要だったかというと、日本では遺言書の作成率が欧米に比べて低いとされており、その要因のひとつが「全文を手書きしなければならない」という手間にあると指摘されていました。公正証書遺言の作成件数は2000年の約6万件から2018年には11万件を超えるまでに増加しましたが、それでも遺言を残さずに亡くなるケースが大半を占めます。財産目録の自書義務を撤廃することで、特に大量の財産を持つ人や高齢で手書きが困難な人にとっての負担が軽減されることが期待されました。

改正後も偽造防止の観点から、財産目録の各ページには署名と押印が必要です。全文自書の場合は1枚に収める人も多かったのに対し、目録を別途添付する形式では複数ページになることもあるため、全ページへの署名押印が義務付けられています。遺言書の本文自体は引き続き自筆が必要であり、日付と署名・押印も不可欠です。

自筆証書遺言はその手軽さゆえに形式不備で無効になるリスクもあります。2020年(令和2年)7月には法務局で遺言書を保管できる「自筆証書遺言書保管制度」も始まり、法務局職員による形式確認も受けられるようになりました。制度の整備が段階的に進んでいる背景には、高齢化の進展と相続トラブルの増加があります。遺言の意味を考える日は、こうした制度変化のなかで遺言を身近な選択肢として捉え直すきっかけとなっています。