パンの日 (記念日 毎月12日)
日本で初めてパンが焼かれたのは、1842年(天保13年)4月12日のこと。焼いたのはパン職人ではなく、幕末の蘭学者・江川太郎左衛門英龍(えがわ たろうざえもん ひでたつ)でした。伊豆韮山の代官であり西洋流兵学者でもあった英龍は、軍用の携帯食糧として「兵糧パン」と呼ばれる乾パンを試作。これが日本におけるパンの起源とされています。この歴史的な出来事を記念し、パン食普及協議会が1983年(昭和58年)に4月12日を「パンの記念日」、毎月12日を「パンの日」として制定しました。同協議会は東京・日本橋室町に事務局を置き、パン食の普及と宣伝活動を担う業界団体です。
「パン」という言葉は、ポルトガル語の「pão(パン)」が語源で、さらにさかのぼるとラテン語の「panis(パニス)」に行き着きます。16世紀にポルトガル人が日本に来航した際に伝わった言葉が、そのまま定着したものです。英語では「bread(ブレッド)」と呼ばれ、日本語の「パン」とは別系統の呼び名になっています。
パンの基本的な作り方は、小麦粉やライ麦粉などの穀物粉に水・酵母・塩を加えて生地をこね、発酵させて膨らませてから焼き上げるというもの。世界各地で主食として食べられており、地域ごとにバゲット、ナン、ピタなど多彩なバリエーションが生まれました。日本でもサンドイッチ・ホットドッグ・ハンバーガーのように具材を挟む食べ方が広まっています。
さらに日本独自の進化を遂げたのが菓子パンです。あんぱん・ジャムパン・メロンパン・クリームパン・コロネ・蒸しパンなど、和洋折衷のアイデアが詰まった品々は、今や日本のパン文化を象徴する存在となっています。毎月12日のパンの日は、そんなパンの歴史と多様性を改めて楽しむきっかけとなっています。
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