「平成」改元の日 (記念日 1月8日)
1989年(昭和64年)1月7日、昭和天皇の崩御とともに、日本の元号は「平成」へと改まりました。その瞬間を国民に告げたのは、当時の内閣官房長官・小渕恵三でした。記者会見の場で白い台紙を高く掲げ、「新しい元号は、『平成』であります」と宣言する姿は、テレビ中継を通じて日本中に映し出され、平成という時代の幕開けを象徴する場面として今も記憶されています。
台紙に書かれた「平成」の二文字を揮毫したのは、総理府辞令専門官の河東純一(かとう じゅんいち)でした。映像での見栄えを意識し、文字のかすれをあえて抑えた筆致で書かれたといいます。新元号発表を「書」という視覚的な形で示すアイデアは石附弘秘書官の発案で、発表の場に台紙を持ち込むという演出が、後世に語り継がれる名場面を生みました。
「平成」という元号の出典は、中国の歴史書『史記』五帝本紀の「内平外成」(内平らかに外成る)と、中国最古の歴史書『書経』大禹謨の「地平天成」(地平らかに天成る)です。二つの古典から「平」と「成」の一字ずつを取り、「国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味が込められました。「大化」以来247番目の元号にあたります。実は江戸時代末期、「慶応」への改元が決まった際の別案にも「平成」があり、出典も同じ『史記』と『書経』からとされています。約124年もの時を経て、幻の元号がようやく陽の目を見たともいえます。
元号の正式施行は翌1月8日からです。崩御の報が届いた7日は、混乱を避けるため午後に新元号が発表されました。平成は2019年4月30日まで続き、在位期間は30年余りに及びました。明治・大正・昭和・令和と並ぶ近代の元号の中で、平成は唯一、テレビ中継の生放送でその誕生が全国に伝えられた元号です。