世界点字デー (記念日 1月4日)
わずか15歳で、視覚障害者の文字を作り上げた少年がいました。フランス人のルイ・ブライユです。彼が考案した6点式の点字は、現在も「braille(ブライユ)」という名前で世界中に広まっています。1月4日の「世界点字デー(World Braille Day)」は、そのブライユの誕生日(1809年1月4日)にちなんで定められた国際デーです。
ブライユが失明したのは5歳のときです。父親の工房で道具を使って遊んでいた際に目を傷つけ、感染症により両目の視力を失いました。10歳でパリの王立盲学校に入学し、そこでシャルル・バルビエというフランス軍将校が考案した「夜間文字(ソノグラフィ)」と出会います。夜間文字は12個の点を組み合わせた暗号で、暗闇の中でも指先で読めるよう開発されたものでした。ブライユはこの仕組みに可能性を感じながらも、12点では複雑すぎると判断し、独自に改良を重ねました。
1825年、ブライユは6つの点の組み合わせで文字を表す方式を考案します。この時点でブライユはまだ16歳でした。1829年には解説書を出版し、1837年に最終的な形へと完成させます。6点式は一本の指の腹に収まる大きさで、読み取りやすく習得もしやすい設計でした。数字・音楽・数式なども表現でき、汎用性の高さが各国語への対応を後押ししました。しかしブライユの存命中に点字が公式に認められることはなく、1852年に肺結核のため43歳で没した2年後の1854年、フランス政府がようやく正式採用を決定します。その後、世界各国の言語に対応した形で普及が進み、日本では1890年(明治23年)に石川倉次が日本語対応の点字を考案しました。
世界点字デーは2000年(平成12年)11月の世界盲人連合(World Blind Union)総会で採択され、2018年(平成30年)12月には国連総会でも承認されました。コミュニケーション手段としての点字の重要性を広く認識してもらうことを目的としており、視覚障害者の権利擁護に向けた取り組みの一環として位置づけられています。