月ロケットの日 (記念日 1月2日)

月ロケットの日

1959年1月2日、ソビエト連邦が打ち上げたルナ1号は、月から約6,000キロメートルの距離をかすめて飛び去り、そのまま太陽を周回する軌道へと入りました。人類が初めて宇宙空間に送り出した「人工惑星」の誕生です。月面着陸こそ果たせませんでしたが、地球の重力圏を完全に脱出した最初の人工物として、宇宙開発史に確固たる足跡を残しました。

この快挙の背景には、ソ連が国家総力で推し進めた「ルナ計画」があります。1957年10月、スプートニク1号によって人類初の人工衛星打ち上げを成功させたソ連は、その勢いのまま月へと照準を定めました。ルナ1号と同じ1959年9月に打ち上げられたルナ2号は月面に激突し、人工物として初めて月に到達。同年10月発射のルナ3号は月の裏側を初めて撮影することに成功しています。そして1966年2月、ルナ9号がついに月面への軟着陸を達成し、月の地表から直接映像を地球へ送り届けました。

アメリカとソ連が激しく競い合ったこの時代、宇宙開発の成否は国家の威信と直結していました。スプートニク1号の打ち上げ日である10月4日が「宇宙開発記念日」に制定され、10月4日から10日の一週間が「世界宇宙週間」と定められているのも、あの衝撃がいかに大きかったかを物語っています。ルナ1号の月スイングバイは、当初の目標こそ外れたものの、宇宙空間での磁場観測や太陽風の直接計測など、科学的な成果も残しています。

月まで38万キロメートル。当時の技術でそこへ探査機を届けようとした試みは、失敗と成功を繰り返しながらも着実に積み重なっていきました。ルナ1号が地球と火星の間を今も静かに公転し続けているという事実は、宇宙開発黎明期のひとつの証として、太陽系の中に刻まれています。