世界亀の日 (記念日 5月23日)

世界亀の日

世界に現存するウミガメは7種類ですが、そのうち6種類が絶滅危惧種に指定されています。かつて17世紀から18世紀にかけてガラパゴス諸島では20万匹ものゾウガメが食糧として持ち去られたとされており、人間との関わりが亀の存続を大きく左右してきた歴史があります。その現状に目を向けようと、アメリカの非営利団体「American Tortoise Rescue」が2000年(平成12年)に制定したのが、5月23日の「世界亀の日(World Turtle Day)」です。

「American Tortoise Rescue」は、捨てられた亀や行方不明の亀の保護・収容、絶滅危惧種の保全、亀の違法な販売の抑止などを主な活動としています。記念日の名称にある「tortoise」と「turtle」は、英語では使い分けられる言葉です。「tortoise(トータス)」は主に陸上で暮らすリクガメを、「turtle(タートル)」は海や水中に生息するウミガメを指すのが一般的ですが、同団体は両者すべての種を保護の対象としています。

亀が長生きである理由は、その代謝の遅さにあるとされています。心拍数が少なく、エネルギー消費が極めて低いため、細胞の老化が緩やかに進みます。セーシェル諸島原産のアルダブラゾウガメの一種、セーシェルセマルゾウガメ「ジョナサン」は推定192歳(2024年時点)とされ、現存する最長寿の陸上動物としてギネス世界記録に認定されています。ガラパゴス諸島では最後のピンタ島ゾウガメ「ロンサム・ジョージ」が推定100歳以上で2012年に死亡し、その亜種の絶滅が確認されました。

亀の性別は、孵化するときの巣の温度によって決まります。アオウミガメの場合、卵が約29度以下の環境にあるとオスに、それより高い温度ではメスになりやすいとされています。近年の気候変動による海水温・気温の上昇は、メスばかりが生まれる偏りを生む懸念があり、温暖化がウミガメの存続に影響を及ぼす問題として研究者の注目を集めています。

イソップ童話の「ウサギとカメ(The Tortoise and the Hare)」に登場するカメは、名称のとおりリクガメの「tortoise」です。足の遅さを競う物語の相手として選ばれたほど、陸上での動きが緩慢なリクガメですが、水の中では機敏に泳ぎ回る種も少なくありません。一方、アメリカン・コミックスを原作とする「忍者タートルズ(Teenage Mutant Ninja Turtles)」のキャラクターはウミガメの「turtle」で、ニューヨーク市の下水道を拠点に活躍する設定になっています。同じ「亀」という言葉でありながら、生息環境も生態もまったく異なる多様な種が、この記念日の保護対象として含まれています。