うなぎの未来を考える日 (記念日 5月22日)
2009年5月22日、マリアナ諸島付近の深海で、世界で初めて天然ニホンウナギの卵の採取に成功しました。この歴史的な出来事は、うなぎの完全養殖化という長年の夢への道を大きく開くものとなりました。「うなぎの未来を考える日」は、この日付を記念して制定された記念日です。
記念日を制定したのは、株式会社鮒忠(ふなちゅう)が提唱する「うなぎの未来を考える日」普及推進委員会です。鮒忠は東京都台東区浅草に本社を置き、レストラン・フランチャイズ・食品加工販売などの事業を展開する企業です。同社の創業者・根本忠雄は「焼き鳥の父」とも呼ばれ、食文化の発展に深く貢献してきました。この記念日の目的は、限りある天然資源であるうなぎを絶滅から守り、うなぎの生態と正しい食文化を広めて後世に残すことにあります。日本では主にニホンウナギを使った蒲焼や鰻丼などの料理が長く親しまれてきましたが、その資源は深刻な危機に直面しています。
ニホンウナギは2013年に環境省のレッドリストで絶滅危惧IB類に指定され、翌2014年には国際自然保護連合(IUCN)からも絶滅危惧種(EN)の認定を受けました。国内のシラスウナギ(稚魚)の漁獲量は1960年代に200トンを超えていたものが、近年では10トンを大きく下回る水準にまで激減しており、資源の枯渇が現実の問題となっています。
完全養殖の研究は着実に前進しています。水産研究・教育機構は2010年に世界初のニホンウナギの完全養殖に成功しており、近畿大学水産研究所も2023年に大学として初めての完全養殖達成を発表しました。しかし、人工種苗の量産・安定供給はいまだ研究段階にあり、現在の養殖業は依然として天然シラスウナギの採捕に大きく依存しています。
「うなぎの未来を考える日」は、毎年5月22日に日本の食文化と自然環境の両立を考える機会を提供しています。蒲焼や鰻丼として日本人の食卓に欠かせない存在であるうなぎを次世代に引き継ぐために、資源管理と技術開発の双方から取り組みが続けられています。