国際生物多様性の日 (記念日 5月22日)

国際生物多様性の日

5月22日は、1992年に国連環境開発会議(地球サミット)の場でケニアのナイロビにおいて採択された「生物の多様性に関する条約」(生物多様性条約、CBD)の採択日にちなんでいます。この日付に落ち着くまでには、一度の変更がありました。当初、国際生物多様性の日は条約が発効した1993年12月29日に設定されていましたが、2000年に開かれた第5回締約国会議で、年末の12月29日よりも認知されやすい日付に改めることが勧告されました。同年の国連総会でこれが承認され、2001年から5月22日が正式な記念日となっています。

条約の目的は三つあります。地球上の生物多様性の保全、生物資源の持続可能な利用、そして遺伝資源から生じる利益の公正かつ衡平な配分です。2025年3月現在、米国を除く194か国および欧州連合(EU)、パレスチナが締結しており、ほぼすべての国連加盟国が参加する国際条約となっています。日本は1993年に締結し、2010年には第10回締約国会議(COP10)を名古屋で開催。そこで採択された「愛知目標」は、2020年までの世界的な生物多様性保全目標として広く参照されました。締約国会議では定期的に目標の見直しが行われています。2022年に開催されたCOP15(カナダ・モントリオール)では、「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、2030年までに陸域と海域の30%以上を保護区等として保全する「30×30目標」が設定されました。この目標は、現在の保護区比率(陸域約17%、海域約8%)から大幅な拡大を求めるものです。

なぜこれほどまでに国際的な枠組みが必要とされているかは、現状の数字が示しています。WWFが2024年に発表した「生きている地球指数(LPI)」によると、分析対象の脊椎動物の個体群規模は1970年から2020年の50年間で平均73%減少しています。1700年以降に世界の湿地の85%以上が消失し、世界の陸地の75%は人間活動によって著しく改変されているというデータもあります。生物多様性を脅かす主な要因は、土地・海洋利用の変化、生物の直接的採取、気候変動、汚染、外来種の侵入の五つとされています。

国際生物多様性の日は、条約締約国や関連機関が取り組みをアピールする機会であるとともに、生物多様性の現状を広く知ってもらうための日でもあります。毎年テーマが設定されており、各国政府や自然保護団体がシンポジウムや啓発活動を実施します。生態系サービスとも呼ばれる自然の恩恵—食料、水、医薬品の原料、気候の安定—は生物多様性に支えられており、その保全は環境問題にとどまらず、人間社会の持続可能性に直結する課題です。