ニキビの日 (記念日 5月21日)
ニキビは日本人の生涯有病率が95%以上とも言われる、きわめて一般的な皮膚疾患です。しかし皮膚科を受診する人はわずか16%程度にとどまり、「自然に治るもの」と放置されがちな現状があります。こうした実態を変えようと、ガルデルマ株式会社と塩野義製薬株式会社が記念日を制定しました。現在はマルホ株式会社が継承しているこの記念日が「ニキビの日」で、5月21日に設定されています。日付は「い(1)つもニキビは皮(5)膚科へ(21)」という語呂合わせに由来します。
ニキビの正式な医学名称は「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」。毛穴に皮脂が過剰に分泌・蓄積し、アクネ菌(Cutibacterium acnes)が繁殖することで炎症を起こした状態です。思春期に多いのは、性ホルモンの影響で皮脂腺の活動が活発になるためで、中学3年生での有病率は87%を超えるというデータもあります。一方で成人のニキビも珍しくなく、30〜40代でも発症・再発するケースが報告されています。
季節との関係も見逃せません。夏は気温と湿度の上昇によって皮脂分泌量が増え、紫外線による肌へのダメージも加わるため、悪化しやすい季節です。5月21日という時期は、本格的な夏を前に皮膚科受診を促すタイミングとしても意味があります。
皮膚科での治療は、外用薬と内服薬の組み合わせが基本です。外用薬としては抗菌作用を持つクリンダマイシン、毛穴の詰まりを解消するアダパレン(レチノイド系)などが使われます。内服薬はミノサイクリンなどの抗生物質やビタミン剤が処方されることが多く、重症例には漢方薬を併用する場合もあります。日本皮膚科学会が策定した「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン」では、これらの治療法が科学的根拠に基づいて整理されており、市販薬での自己治療より皮膚科での診断・処方が推奨されています。
ニキビを放置すると、炎症が皮膚の深部まで達してニキビ痕(色素沈着・瘢痕)として残ることがあります。ニキビ痕は治療がさらに難しくなるため、早期に受診することが重要です。「ニキビの日」は、ニキビを「病気として正しく治す」ことを広く伝えるために設けられた記念日です。