水なすの日 (記念日 5月20日)

水なすの日

大阪・泉州のナスは、手でちぎって生のままかじれるほどみずみずしい。それが「水なす」の最大の特徴で、普通のナスとは別物といっていいほどの食感と甘みを持っています。室町時代の文献『庭訓往来』には「澤茄子(ミヅナスビ)」の記載があり、大阪・泉州地域での水なす栽培は、少なくとも室町時代にまでさかのぼります。

泉州水なすの発祥の地は、現在の大阪府泉佐野市上之郷とする説と、貝塚市澤とする説があります。いずれにしても江戸時代初期には本格的な栽培が行われており、「田んぼの一画に植え、夏場の農作業の喉をうるおした」と伝えられるほど、農家の暮らしに身近な野菜でした。泉州の土壌は水はけがよく、海に近いため地下水にも塩分が混じります。そうした環境に適応した結果、この地のナスは大量の水分を蓄えるように育つようになったとされています。水なすが他の産地で育てると形質が変わるといわれ、長らく同地域の門外不出の特産品とされてきたのも、この土地との深い関係によるものです。

水なすの美味しさを全国に広める目的で、大阪府漬物事業協同組合がこの時期を記念日に定めたのが「水なすの日」です。日付は初夏に向けて水なすが美味しくなる時季であることが理由で、一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されています。同協同組合は大阪府大阪市に本部を置き、漬物の生産者や流通業者などで構成されています。

水なすを使った「水なす漬」は、大阪府内産の材料を使用した優れた品質の食品に与えられる「大阪府Eマーク食品」の第1号に認定された伝統の一品です。もともと大阪南部の家庭や専門店で夏の季節商品として親しまれていましたが、近年は真空パックや通販の普及によって全国で手に入るようになっています。旬の水なすを塩もみや浅漬けでいただくシンプルな食べ方が、今も変わらぬ定番です。