森林の日 (記念日 5月20日)
「森林」という二文字には、「木」という漢字が5つ隠れています。「木」が2つで「林」、「木」が3つで「森」。そして「森林」全体の総画数を数えると、ちょうど20になります。この数遊びを起点に生まれたのが、5月20日の「森林の日(もりのひ)」です。
この記念日を制定したのは「美し村(うましさと)連邦」です。村名の頭に「美」の字がつく全国10村が集まり、1999年(平成11年)に発足した団体でした。10村とは、岐阜県美並村、茨城県美和村、茨城県美浦村、長野県美麻村、三重県美里村、三重県美杉村、和歌山県美山村、岡山県美甘村、徳島県美郷村、愛媛県美川村です。「美」の字を共通点に、文字通り美しい自然の残る農山村が手を組んだ連合体でした。
もともとのきっかけは1989年(平成元年)に開かれた「全国美しい村サミット」です。「美」のつく村どうしが一堂に会し、交流を深めたこの集まりが土台となり、10年後の1999年に正式な連邦として発足しました。発足後は毎年持ち回りで会議を開き、豊かな自然の保護、過疎対策、高齢化対策をテーマに活動を続けました。
しかし、2000年代に入って始まった平成の大合併が、この連邦を直撃しました。茨城県美浦村を除く9村が次々と周辺市町村と合併して消滅し、連邦を維持する基盤が失われていきました。2003年(平成15年)10月に茨城県美和村で最後の会議が行われ、2005年(平成17年)に「美し村連邦」は正式に解散しました。発足からわずか6年での幕引きでした。「森林の日」という記念日だけが残り、制定した連邦そのものは消えてしまいました。平成の市町村合併がいかに急速に地方の地図を塗り替えたかを、この記念日の来歴は静かに物語っています。文字遊びを出発点にした制定の経緯と、それを担った村々の消滅という事実は、記念日の裏側にある時代を映し出しています。