東京港開港記念日 (記念日 5月20日)

東京港開港記念日

1941年(昭和16年)5月20日、芝浦埠頭と竹芝埠頭が完成し、東京港は国際貿易港として正式に開港の指定を受けました。これを記念して東京都が「東京港開港記念日」を制定しています。東京港の歴史は江戸時代に遡ります。当時「江戸湊(えどみなと)」と呼ばれたこの港は、全国各地から消費物資が集められる物流の要衝でした。縦横に張り巡らされた運河を通じて、米・味噌・材木などが江戸の街へ運び込まれ、都市の発展を支えていました。ところが、水深が浅いために外洋を航行する大型船が入港できず、国際貿易港としての役割は担えませんでした。

幕末の開国交渉において、日本の玄関口として選ばれたのは横浜港でした。1859年(安政6年)6月2日に横浜港が開港し、明治以降も東京の海外貿易は横浜を外港として依存する構造が続きました。東京と横浜という二都市が、港という一点において主従関係にあった時代です。

この均衡が大きく揺らいだのは、1923年(大正12年)9月1日の関東大震災でした。甚大な被害を受けた東京への海外からの救援物資が、大型船で直接届けられない現実が露わになります。横浜港もまた震災で機能を失っており、海上輸送による物資受け入れが深刻な問題として浮かび上がりました。この経験が、東京港の本格的な近代化へと動かす契機となりました。

震災後、日の出埠頭・芝浦埠頭・竹芝埠頭の開発が始まりました。1931年(昭和6年)の満州事変以降は軍需拡大とともに中国大陸への物流が急増し、東京港の貨物取扱量も膨らんでいきました。国際貿易港としての正式な地位を求める声が高まる中、1941年の開港指定が実現しました。

現在、東京港は国土交通省が定める「日本五大港」のひとつです。東京港・横浜港・名古屋港・大阪港・神戸港の5港が日本の主要国際貿易港とされており、コンテナ取扱量では東京港は国内屈指の規模を誇っています。かつて横浜港の影に隠れていた東京湾の港が、独立した国際貿易の拠点として歩みを重ねてきた歴史が、この記念日の背景にあります。