世界計量記念日 (記念日 5月20日)

世界計量記念日

1メートルとは、北極点から赤道までの子午線の長さを1000万分の1にした距離です。これは、地球という「自然」を基準にした定義でした。1875年(明治8年)5月20日、フランス政府の提唱により、パリで欧米17か国が「メートル条約」に調印し、この定義を国際的な共通基準として定めました。と同時に、地球の円周が約4万kmであることも確認されました。

条約締結の目的は、国際貿易や科学技術の発展のために、各国がばらばらに使っていた長さや質量の単位を統一することでした。当時、ヤード・ポンドやフィート、貫など、国や地域によって異なる単位が混在しており、国際的な取引や計測に支障をきたしていました。メートル条約はこの問題を解決するための条約で、加盟国が共同で単位標準を管理する国際機関「国際度量衡局(BIPM)」をパリ郊外のセーヴルに設立することも定めました。

日本はこの締結に加わらず、一足遅れて1885年(明治18年)に加盟しました。当時の日本では江戸時代から引き継いだ尺貫法が広く使われており、1875年に制定された度量衡取締条例でも尺(長さ)・貫(質量)が引き続き採用されています。メートル条約加盟後も尺貫法との併用が長く続き、法律でメートル法の使用が義務づけられたのは1921年(大正10年)4月11日に改正度量衡法が公布されてからのことです。この4月11日は「メートル法公布記念日」として現在も残っています。

条約から約130年後の2019年(令和元年)5月20日、計量の世界に大きな転換が訪れました。質量の単位「キログラム」の定義が根本から改定されたのです。それまでの1kgの基準は、プラチナ90%・イリジウム10%の合金で作られた直径・高さ約39mmの円柱形の「国際キログラム原器」でした。この人工物を世界で唯一の質量の基準として、フランスの国際度量衡局が厳重に保管してきましたが、微細な質量変化が問題視されていました。新しい定義では、物理学の基本定数である「プランク定数」を介してキログラムが規定されます。人工物への依存をなくした、より普遍的な定義への移行です。

世界計量記念日は、メートル条約締結125周年を記念して2000年(平成12年)から毎年5月20日に実施されています。英語名は「World Metrology Day」。日本では11月1日が「計量記念日」として別途制定されており、計量に関連する行事が各地で行われています。