IBDを理解する日 (記念日 5月19日)

IBDを理解する日

日本国内の潰瘍性大腸炎の有病者数は約31.7万人、クローン病は約9.6万人にのぼり、2015年の調査と比較して8年間でいずれも約1.4倍に増加しています。両疾患を合わせると40万人以上が罹患していることになりますが、外見から症状が分かりにくいこともあり、社会的な認知度は依然として低い状況です。

5月19日は「IBDを理解する日」です。IBD(Inflammatory Bowel Disease)とは炎症性腸疾患を指す総称で、潰瘍性大腸炎とクローン病の2疾患をまとめて呼ぶ言葉です。2013年(平成25年)に、IBD患者会の集まりであるNPO法人IBDネットワークと、製薬会社のアッヴィ合同会社が制定しました。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されており、毎年この日に合わせて啓発イベントが開催されています。同日は欧州発祥の「世界IBDデー(World IBD Day)」とも一致しており、国際的な啓発活動と連動しています。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じ、潰瘍が形成される疾患です。主な症状は血便、粘液便、下痢、腹痛で、症状が落ち着く「緩解期」と悪化する「再燃期」を繰り返す経過をたどります。発症のピークは20代で、若い年齢層に多く見られます。

クローン病は主に小腸と大腸に縦走潰瘍が生じる疾患で、炎症が繰り返されることで腸管が狭くなる狭窄や、腸管同士の癒着が起こることがあります。腹痛や下痢が主な症状で、発症は10〜20代に多くなっています。消化管のあらゆる部位に病変が生じる可能性があり、潰瘍性大腸炎とは異なる病態を持つ疾患です。

両疾患はともに厚生労働省により特定疾患(難病)に指定されています。原因は完全には解明されておらず、根本的な治療法も確立していません。薬物療法や外科的治療によって症状をコントロールしながら生活することになるため、患者の長期にわたる療養管理が必要となります。食生活の欧米化が患者数増加の一因として指摘されており、今後もさらに増加することが懸念されています。

「IBDを理解する日」は、こうした疾患の実態をより広く社会に知ってもらうことを目的として設けられました。患者が日常生活において外出中のトイレの問題など「見えない壁」に直面しやすいことから、社会全体の理解と配慮が求められています。