HAE DAY (記念日 5月16日)
のどが腫れれば呼吸困難、腸が腫れれば激しい腹痛と嘔吐。遺伝性血管性浮腫(HAE)は、そうした発作を繰り返す希少疾患です。国内では50,000人に1人の割合とされ、約2,500人が罹患していると推定されていますが、実際に診断を受けている患者は約400〜500人にとどまります。症状が出始めてから診断に至るまでの期間が平均15.6年にのぼるという報告もあり、多くの患者が長い間、原因不明のまま苦しんでいる現実があります。
HAEは、血液中のC1-エラスターゼ・インヒビター(C1-インヒビター)の機能が遺伝子変異によって低下することで発症します。体のあらゆる部位に2〜3日持続する腫れやむくみを繰り返し、皮膚(手足・顔面・生殖器など)が腫れた場合は一見するとじんま疹に似ていますが、強いかゆみを伴わない点が異なります。10歳から20歳代で発症することが多く、国内の患者は平均18.0歳で症状が始まっているとされています。発作の重篤度は個人差が大きく、のどの腫れは生命の危険に直結するため、早期診断と適切な治療体制の整備が課題となっています。
5月16日は「HAE DAY」です。HAE世界国際患者会(HAEi)が定めたもので、HAEに関する医学学会が隔年でハンガリー・ブダペストにおいて5月16日前後に開催されてきたことに由来します。日本では、2014年に設立されたNPO法人HAEジャパン(HAEJ)が日本における国際HAE患者会の組織として活動しており、この記念日を制定しました。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。HAE DAYの目的は、患者自身が難病に負けずに笑顔(スマイル)でメッセージを発信し、世界中の患者とつながることにあります。診断が遅れやすく、周囲に理解されにくいこの疾患を社会に広く知ってもらうことも、重要な目的の一つです。HAEジャパンには患者・家族・医師を含む100名超の会員が登録されており、当事者の声を発信する場として機能しています。