国際光デー (記念日 5月16日)
1015年、アラブの科学者イブン・ハイサムは光の直進性や反射・屈折の法則を体系的にまとめた著作『光学の書』を記しました。その1000年後の2015年、ユネスコはこの功績を起点として「国際光年」を制定。さらに2018年からは毎年5月16日を「国際光デー(International Day of Light)」として実施しています。5月16日という日付には根拠があります。1960年のこの日、アメリカの物理学者セオドア・メイマンが世界初のレーザーの発振に成功しました。光の科学技術史における決定的な瞬間として、この日が記念日の基準日に選ばれています。
「国際光年」2015年は、複数の光科学の節目が重なる特別な年でした。イブン・ハイサムの研究から1000年、アルベルト・アインシュタインが一般相対性理論を構築した1915年から100年、そしてチャールズ・カオが光ファイバー通信の原理を提唱した1965年から50年にあたります。一本の時間軸の上に、光をめぐる人類の知的営みが重なり合う年だったといえます。
光は現代社会のあらゆる場面に入り込んでいます。医療では光線力学療法やレーザー手術、通信では光ファイバーによるインターネット、エネルギー分野では太陽光発電。さらに農業・気象観測・精密計測にいたるまで、光とその制御技術なしには成立しない領域が広がっています。ユネスコがこの記念日を設けた背景には、こうした光の役割を改めて社会に向けて提示する意図があります。
国際光デーを中心として、欧米をはじめ世界各地でシンポジウムや展示、体験イベントが開かれます。日本でも光の科学技術の歴史と発展をテーマにしたシンポジウムが行われており、研究者から学生・一般市民まで広く参加できる場として機能しています。