WATALISの日 (記念日 5月15日)
タンスの奥に眠っていた古い着物が、丁寧な手仕事によって新たな命を吹き込まれ、手のひらに収まる巾着袋になる。宮城県亘理町を拠点とする株式会社WATALISは、着物地のアップサイクルを通じて伝統布の文化を現代に受け継ぐ企業です。2015年(平成27年)5月15日の設立日を記念日として、2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会による認定・登録を受けました。
WATALISの主力商品「FUGURO(ふぐろ)」は、亘理町に伝わる風習に着想を得ています。かつてこの地では、着物を仕立てた際に余った端切れで袋を縫い、贈り物を包んで手渡す習わしがありました。FUGUROはその風習を現代によみがえらせたもので、全国から回収した着物地を亘理町の女性たちが一つひとつ手縫いで仕上げます。柄や色合いが一点ずつ異なるため、同じFUGUROは世界に二つとありません。
社名のWATALISは、「WATARI(亘理)」と、お守りを意味する英語「TALISMAN(タリスマン)」を組み合わせた造語です。お守りのように大切に人から人へ手渡していきたいという思いが込められており、代表の引地恵氏が2015年に会社を設立しました。本社所在地の亘理町は宮城県南部に位置し、2011年の東日本大震災で大きな被害を受けた地域でもあります。地元の女性たちに手仕事の場を提供するという側面も、WATALISの活動が持つ意味の一つです。
アップサイクルとは、廃棄予定の素材に新たな価値を付加して再生させる手法です。素材を溶かして原料に戻すリサイクルや、そのままの形で再利用するリユースとは異なり、元の品よりも付加価値の高い製品を生み出すことを目的としています。WATALISの場合、タンスに眠り続けた着物地を繊維試験で素材確認し、「絹」と明記できる製品として市場に送り出しています。古布や廃材を活用した小物、トラックの幌布を素材にしたバッグなど、アップサイクル商品は国内外で広がりを見せていますが、着物という日本固有の布文化を素材とする点にWATALISの独自性があります。
「日本の美しさとの出逢いを創り、幸せを世界につなぐ」を掲げるWATALISは、着物地が持つ長年の記憶を手仕事によって次の世代へ届け続けています。