斎藤茂吉記念日 (記念日 5月14日)

斎藤茂吉記念日

斎藤茂吉(1882〜1953年)は、短歌の世界に大きな足跡を残した歌人であると同時に、精神科医として病院経営にも携わった異色の存在です。その生誕日である5月14日を記念して、山形県上山市の公益財団法人・斎藤茂吉記念館が「斎藤茂吉記念日」を制定しました。2022年(令和4年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。

茂吉は1882年(明治15年)、現在の山形県上山市(旧・最上郡金瓶村)に生まれました。明治期の歌人・小説家である伊藤左千夫に師事し、大正から昭和前期にかけて短歌結社誌『アララギ』の中心人物として活躍します。1913年(大正2年)に刊行された第一歌集『赤光(しゃっこう)』は、ロマンチシズムあふれる清新な歌風によって歌壇・文壇に衝撃を与え、茂吉の名を一躍高からしめた代表作です。

一方で茂吉は医師としての顔も持ちます。東京帝国大学医科大学(現・東京大学医学部)を卒業後、精神科医として青山脳病院(現在の東京都立梅ヶ丘病院や笹塚病院の前身)の院長を務めました。歌を詠みながら病院を経営するという二足のわらじの生涯は当時でも異彩を放っており、その血脈は文学と医学を交差させながら次世代へと受け継がれています。長男の斎藤茂太(1916〜2006年)は精神科医で随筆家、次男の北杜夫(1927〜2011年)は精神科医・随筆家・小説家として活躍し、孫の斎藤由香(1962〜)も随筆家として知られます。一家にわたって医学と文筆が融け合うという、日本近代文学史でも珍しい家系です。

2022年の記念日制定は、茂吉の生誕140年という節目の年に重なります。近代短歌の礎を築いたその存在と業績を広く普及させることが目的です。なお、茂吉が1953年(昭和28年)に亡くなった2月25日は「茂吉忌」として知られており、生誕日と忌日の両日が、その生涯を振り返る機会となっています。