民生委員・児童委員の日 (記念日 5月12日)
1917年(大正6年)5月12日、岡山県知事・笠井信一は「済世顧問設置規程」を公布しました。済世とは「世を救う」という意味で、貧困に陥ることを未然に防ぐ「防貧」を使命とした制度です。全国に先駆けて生まれたこの仕組みが、現在の民生委員・児童委員制度の原点となっています。
翌1918年(大正7年)には大阪府で「方面委員制度」が発足し、その後全国へと広がっていきます。1928年(昭和3年)には制度が全国規模で普及し、1946年(昭和21年)の民生委員令の公布によって名称が現在の「民生委員」へと改められました。約1世紀にわたる変遷を経て制度が整備されてきたことになります。民生委員は、民生委員法に基づき厚生労働大臣の委嘱によって市町村の区域に配置される民間の奉仕者です。地域住民の生活状況を把握し、生活困窮者への相談・指導、福祉事務所が行う業務への協力などを担います。給与は支給されず、活動費の一部が支給される無報酬のボランティアであるため、地域への強い使命感に支えられています。
また、民生委員は児童福祉法の規定により、自動的に児童委員も兼務します。児童委員は、地域の子どもたちが安心して暮らせるよう、子どもや妊産婦の生活・環境の状況を把握し、保護・保健・福祉に関する相談や援助・指導を行う役割を担います。なかでも、担当地区を持たずに子育て支援に特化して活動する「主任児童委員」という専門職も設けられており、学校や保育所などとの連携拠点としての機能も果たしています。
5月12日は、済世顧問設置規程が公布されたこの日にちなみ、1977年(昭和52年)に全国民生委員児童委員連合会(全民児連)が「民生委員・児童委員の日」として制定しました。さらに5月12日から18日は「民生委員・児童委員活動強化週間」として位置づけられています。制度の歩みを振り返るとともに、身近な相談相手として地域に根ざした活動への理解を深める機会となっています。