国際看護師の日 (記念日 5月12日)

国際看護師の日

5月12日は、近代看護の礎を築いたフローレンス・ナイチンゲールが1820年に生まれた日です。この誕生日を記念して、国際看護師協会(ICN)が1965年に「国際看護師の日(International Nurses Day)」を制定しました。看護師が社会に果たしてきた役割を広く認識し、称えることが目的とされています。

ナイチンゲールがその名を歴史に刻んだのは、クリミア戦争(1853〜1856年)での活動によります。負傷兵が収容された野戦病院に看護団の団長として赴任した彼女は、徹底した衛生管理を病院に持ち込みました。その結果、42%に達していた死亡率をわずか4か月で5%にまで引き下げています。夜間も灯りを手に病室を巡回する姿から「ランプの貴婦人」と呼ばれ、兵士たちの信頼を集めました。

ナイチンゲールの貢献は戦場にとどまりません。帰国後、彼女はロンドンの聖トーマス病院に附属するナイチンゲール看護学校を設立します。宗教的な背景を持たない、世界初の独立した近代的看護学校でした。また「看護覚え書」など多くの著作を残し、看護を経験則ではなく学問として体系化した点でも評価されています。統計学を看護の分野に初めて導入したことでも知られており、その手法は現代の医療統計の原点ともいえます。日本では、2002年3月に「看護婦」という呼称が男女を問わない「看護師」へと変更されました。現在、全国の看護師・准看護師は約170万人に上ります。ICNは毎年この日に向けてテーマを設定しており、2017年のテーマは「看護師:主導する声:持続可能な開発目標の達成」でした。医療現場の最前線を支える職種として、国際的な位置づけはいまも更新され続けています。