呼吸の日 (記念日 5月9日)
深く息を吸い込むだけで、心拍数が落ち着き、肩の力が抜ける。深呼吸には、自律神経に直接働きかけてストレスを和らげる効果がある。5月9日の「呼吸の日」は、こうした「よりよい呼吸」について改めて考える機会として設けられた記念日です。「呼吸の日」は、NPO法人・日本呼吸器障害者情報センターが制定しました。日付は「こ(5)きゅう(9)」と読む語呂合わせに由来します。新緑が美しく、そよ風に思わず深呼吸したくなる5月という季節感とも重なり、自然への感謝と生きる喜びを感じる時期として選ばれています。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。
制定の目的は、一般市民を対象に肺の健康への理解を深め、呼吸器疾患の早期発見やタバコの害に関する知識を普及・啓発することにあります。生き物すべてに与えられた「呼吸」という行為を見つめ直し、自分自身の体と向き合うきっかけとなる日です。
深呼吸の効果は多岐にわたります。まず、ゆっくりと深く息を吸うことで体内に酸素を十分に取り込めます。同時に副交感神経が優位になり、心拍数と血圧が安定して緊張やストレスが和らぎます。緊迫した場面で深呼吸を勧められることが多いのは、こうした生理的な根拠があるためです。
また、深呼吸は横隔膜を大きく動かします。肺の下に位置するこの筋肉が上下に広がることで、周囲の内臓が適度に刺激され、血行促進・冷え性改善・便秘改善といった効果も期待できるとされています。呼吸という日常の動作が、全身の調子に影響を与えていることがわかります。
呼吸器の健康という観点では、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や喘息など、日常生活に支障をきたす疾患は少なくありません。特にCOPDは喫煙が主な原因とされており、タバコの害を正しく知ることが予防の第一歩です。「呼吸の日」はこうした疾患への関心を高め、定期的な肺機能検査の受診を促す役割も担っています。なお、8月1日は「肺の日」として同様に肺の健康を考える日となっています。
今日は意識的に、ゆっくりと深い呼吸を試してみてください。鼻から4秒かけて吸い、8秒かけて口からゆっくり吐く。それだけで体の緊張がほぐれ、気持ちが落ち着いていくのを感じられるはずです。「呼吸の日」を機に、普段は意識しない呼吸の大切さに目を向けてみましょう。