万引き防止の日 (記念日 5月8日)

万引き防止の日

書店で1冊の本が万引きされると、その損失を取り戻すには同じ本を5冊以上売り続けなければならない。これは書店業界でよく語られる現実で、いかに万引きが経営を圧迫するかを端的に示しています。

5月8日は「万引き防止の日」です。防犯カメラなどセキュリティシステムを手がける株式会社ジェイエヌシー(現:セーフティ&セキュリティ株式会社)が2009年(平成21年)に制定しました。日付は犯罪者を捕まえる「御用(ごよう)」を「ご(5)よう(8)」と読む語呂合わせに由来しています。万引きが犯罪であるという意識を広め、被害を減らすことが制定の目的です。

小売店における万引きの年間損失額は約4,600億円、1日あたりに換算すると約12億円に上るとされています。書店、スーパー、コンビニなど業種を問わず、万引きは利益を直撃する深刻な問題です。利益率の低い小売業では、わずかな盗難でも経営に大きく響きます。

近年では高齢者による万引きの増加と、その検挙率の上昇が問題視されています。背景には孤立や貧困、認知機能の低下など複合的な要因が絡んでいるとされており、防犯対策だけでは解決できない社会的な課題として捉えられるようになっています。

「万引き」という言葉自体は江戸時代から使われていました。有力な語源説は、商品を間引いて盗む「間引き」が変化して「万引き」になったというものです。「万」は当て字とされています。もう一つの説として、「間」に「運」の意味があることから、運を狙って引き抜くという意味で「間(まん)」と「引き」が結びついたとする説もあります。いずれにせよ、万引きは現代に生まれた犯罪ではなく、長い歴史を持つ行為です。