ヨーロッパ戦勝記念日(VEデー) (記念日 5月8日)

ヨーロッパ戦勝記念日(VEデー)

1945年5月8日、ナチス・ドイツは連合国軍に対して無条件降伏文書に調印した。6年近くにわたりヨーロッパを戦火に巻き込んだ第二次世界大戦は、その欧州戦線において終止符を打つこととなった。この日を「VEデー(Victory in Europe Day)」、すなわち「ヨーロッパ戦勝記念日」と呼ぶ。

降伏の報せが伝わると、戦勝国の各地では大規模な祝典が開催された。とりわけロンドンの様子は際立っており、長年の空襲と食糧難に耐え忍んできた市民100万人以上が街頭へ繰り出し、カーニバルのような雰囲気でヨーロッパでの戦争の終結を祝った。バッキンガム宮殿の前には深夜まで群衆が集まり、国王ジョージ6世や当時の首相ウィンストン・チャーチルがバルコニーから市民に手を振る光景が記録されている。

しかし、この日をもって第二次世界大戦が終わったわけではない。連合国軍はヨーロッパ戦線の終結後も、太平洋では日本との戦争を続けていた。1945年8月6日に広島、9日に長崎へ原子爆弾が投下され、8月14日に日本政府はポツダム宣言を受諾。翌15日の正午、昭和天皇による玉音放送が全国に流れ、日本が無条件降伏したことが国民に伝えられた。そして同年9月2日、東京湾に停泊する米戦艦ミズーリ号の甲板上で日本政府の代表が降伏文書に調印し、第二次世界大戦は正式に終結した。

日本では、玉音放送が行われた8月15日が「終戦の日」として定着しており、毎年この日に全国戦没者追悼式が開催される。一方、連合国側では日本の降伏文書調印日である9月2日を「対日戦勝記念日(VJデー/Victory over Japan Day)」と位置づけている。同じ「終戦」を指しながら、国によって記念する日が異なるのは、戦争の終わり方と各国の歴史認識の違いを如実に示している。

VEデーである5月8日は現在も、フランスや多くのヨーロッパ諸国で公式の祝日として定められている。毎年この日には戦没者への追悼式典が各地で行われており、第二次世界大戦の記憶を後世に伝える機会となっている。

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