わらべうた・子守唄の日 (記念日 5月5日)

わらべうた・子守唄の日

「ねんねんころりよ おころりよ」。この書き出しで知られる江戸子守唄は、江戸時代から連綿と受け継がれてきた日本の音楽文化の一つです。わらべうたの最古の記録は平安時代後期までさかのぼり、12世紀に藤原長子が著した『讃岐典侍日記』には、幼い鳥羽天皇が「降れ、降れ、粉雪」と歌う様子が記されています。この歌は全国に分布する「雪やこんこん」と同系のわらべうたとされており、現代に至るまで子どもたちの口から口へと伝わってきたことがわかります。

そのわらべうたと子守唄を現代の保育・教育の場に根付かせようと活動しているのが、東京都多摩市に本部を置く全国わらべうたの会です。同会は各地での研修を通じ、保育や教育にかかわる人々、唄の研究者や音楽家などと連携しながら、子育て支援に役立つ「わらべうた・子守唄」の普及に取り組んでいます。5月5日のこどもの日を記念日に選んだのは、子どもの幸せを願う日にふさわしいという考えからです。2022年(令和4年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。

童歌(わらべうた)は、子どもが遊びながら歌う伝承童謡であり、伝承童謡・自然童謡とも呼ばれます。絵描き歌、数え歌、遊びの歌など多くの種類があり、民謡の一種として位置づけられるものも少なくありません。「かごめかごめ」「はないちもんめ」「でんでんむしむし」など、地域ごとに歌詞や節回しが異なるバリエーションが存在し、口承文化ならではの多様性を今に伝えています。

子守唄は、乳幼児を寝かしつけるために歌われた歌で、江戸時代には奉公に出た少女たちが子守りをしながら歌ったという記録が残っています。地方ごとに独自の旋律と歌詞を持ち、「竹田の子守唄」(京都)や「島原の子守唄」(長崎)のように、地名とともに後世に伝わる作品も多数あります。こうした歌は当時の庶民の暮らしや感情を素直に映しており、音楽的な記録としてだけでなく、民俗資料としての価値も認められています。

関連する記念日として、12月3日は「わらべうた保育の日」、6月6日は「コックさんの日」が設けられています。5月5日の「わらべうた・子守唄の日」は、こうした伝承音楽を保育・教育の現場でいかに活用していくかを改めて考える機会として位置づけられています。