うずらの日 (記念日 5月5日)
うずらの卵が「鶉月(うずらづき)」の5月5日にスポットを浴びるのには、武将たちが戦場に向かう前にうずらの鳴き声を聴いた、という縁起話が絡んでいます。その声を「御吉兆(ごきっちょう)」と聴き取り、吉兆の証として出陣したといわれ、男子の成長を祈る端午の節句とも重なることから、5月5日が記念日にふさわしいとされました。日本養鶉協会がこの日を「うずらの日」として制定し、2017年(平成29年)に日本記念日協会が認定・登録しています。
ウズラ(鶉、Japanese quail)はキジ科ウズラ属に分類される鳥で、全長はわずか20cmほど。上面の羽衣は淡褐色で、地味な外見ながら古くから日本人に親しまれてきた鳥です。国内では主に本州中部以北で繁殖し、冬になると南下して越冬します。インド北東部からモンゴル、ロシア東部まで広く分布する渡り鳥でもあります。
日本のうずら卵生産を支えているのは、愛知県豊橋市を中心とした産地です。全国生産量の約7割を愛知県が占め、そのうち約85%が豊橋地域に集中しています。国内唯一のうずら卵専門農協「豊橋養鶉農業協同組合」が存在するほど、この地はうずら卵と切り離せない関係にあります。
ピーク時の1984年には全国で約850万羽が飼養されていましたが、2023年には約446万羽まで減少。生産農家数も49戸にまで縮小しており、業界の振興は喫緊の課題となっています。
うずらの卵は鶏卵と比べてひとつひとつは小さいものの、栄養価の高さや風味の濃さが特徴です。おでんや中華料理の付け合わせとして日常的に食卓に登場しますが、そのシェアは鶏卵に比べるとまだまだ小さいのが現状です。「うずらの日」には、身近にあるようで意外と知られていないうずらの魅力を改めて見直してみるのも面白いかもしれません。5月5日は「0(たま)5(ご)」の語呂合わせでもあり、小さな卵にたっぷり詰まった歴史と味を楽しむ一日になりそうです。