かずの子の日 (記念日 5月5日)

かずの子の日

ニシン1匹から採れる卵の数は5万〜6万粒とも言われており、その圧倒的な数から「子孫繁栄」の象徴として日本のおせち料理に欠かせない食材となりました。その卵こそが「かずの子(数の子)」です。毎年5月5日は、北海道水産物加工協同組合連合会(道加工連)が制定した「かずの子の日」。こどもの日にかずの子を食べ、両親への感謝と子孫繁栄を願うという食文化を広めることを目的としています。

「かずの子」という名前の由来には複数の説があります。東北地方ではニシンを「カド」と呼ぶため、ニシンの卵を「カドの子」と称し、それが訛って「かずの子」になったという説が有力です。一方、卵の数が非常に多いことから「数の子」になったという説も広く知られています。漢字では「数の子」のほか、「鯑」「鯡子」と表記することもあります。また、ニシンを「二親」と読む語呂合わせから、こどもの日に両親へ感謝する縁起物としての意味合いも込められています。

かずの子の産地として有名なのが北海道です。かつて北海道のニシン漁は明治時代に最盛期を迎え、漁獲量は最大で年間約100万トンに達したとも記録されています。しかし現在の国内漁獲量は往時の百分の一以下にまで落ち込んでおり、市場に出回るかずの子の多くはアメリカ・カナダ・ロシア・ノルウェーなどから輸入されたタイセイヨウニシンの卵です。塩蔵品として流通することが多く、水で塩抜きしてから調理するのが一般的です。

食感はパリパリとしており、噛むたびに卵の粒がはじけるような独特の歯ごたえが楽しめます。だし漬けや松前漬け、醤油漬けなど調理のバリエーションも豊富で、おせち料理での定番の味付けは鰹だしと薄口醤油を合わせたものが多く、正月の重箱に並ぶ際は黄金色に輝く見た目も重宝されています。栄養面では、タンパク質を豊富に含み、カロリーは比較的低めです。DHA・EPAなどの不飽和脂肪酸も含まれており、生活習慣病の予防に関心が高まる中で注目される食材のひとつです。ただし塩蔵かずの子はナトリウム含有量が高いため、食べ過ぎには注意が必要です。子孫繁栄の縁起物として代々受け継がれてきたかずの子ですが、その栄養価や風味の豊かさも、長く愛されてきた理由のひとつと言えます。