植物園の日 (記念日 5月4日)

植物園の日

古代ギリシアの哲学者テオプラストスは、師アリストテレスの学園「リュケイオン」に植物を集めた庭園をつくりました。これが西洋における植物園の起源とされています。近代的な植物園の原型は16世紀ルネサンス期のイタリア、ピサ大学に併設されたピサ植物園にさかのぼります。学術研究の場として始まった植物園は、植物の収集・分類・保存を目的とし、植物学の発展を支えてきました。

5月4日は「みどりの日」です。もともと4月29日(昭和天皇の誕生日)が1989年に「みどりの日」とされましたが、2007年に4月29日が「昭和の日」へ改称されたことに伴い、みどりの日は5月4日に移動しました。同年、公益社団法人 日本植物園協会はこの日を「植物園の日」と位置付けました。

「植物園の日」の目的は、植物園活動を広く社会に知らせ、その社会的な重要性への理解と支援を市民から得ることにあります。テーマは「ふるさとの植物を守ろう」。この日を中心に、全国各地の植物園でさまざまな関連行事が開催されています。日本植物園協会は1947年に任意団体として創立し、1966年に社団法人化、2013年に公益社団法人へ移行した歴史をもちます。

植物園(botanical garden)という言葉が示すとおり、その本来の役割は学術的なものです。しかし現代の植物園は、市民の憩いの場や観光施設としての側面が強くなっています。ここで興味深いのが「バビロンの空中庭園」です。古代ギリシアの数学者フィロンが選んだ「世界の七不思議」の一つで、空中に浮かぶ庭園を連想させる名前ですが、実際には高台に造られた段丘式の庭園とされています。古代メソポタミアの首都バビロン、現在のイラクの首都バグダード郊外にそれらしき遺跡が残っています。植物を人の手で集め、育て、守る営みが、遠く古代から続いてきたことをこの遺跡は伝えています。

なお、4月24日は「植物学の日」です。江戸時代後期の博物学者・牧野富太郎の誕生日にちなみ制定されており、植物園の日と合わせて、植物と人との関わりを見つめ直す機会となっています。