世界報道自由デー (記念日 5月3日)

世界報道自由デー

5月3日は、世界中でジャーナリストが職務中に命を落としている現実と向き合う日です。「世界報道自由デー」(World Press Freedom Day)は、報道の自由という基本的人権を改めて確認し、その脅威にさらされているメディアの独立を守るための国際デーとして、毎年この日に各地で取り組みが行われています。

起点となったのは1991年5月3日、ナミビアの首都ウィントフックで開かれたセミナーです。ユネスコと国連の主催による「アフリカの独立した多元的な報道の促進に関するセミナー」で、アフリカ各国のジャーナリストたちが「ウィントフック宣言」(Windhoek Declaration)を採択しました。宣言は独立した複数の報道機関の設立・維持・発展の重要性を訴えるもので、この日付を記念日の根拠としています。1993年12月の国連総会で正式に制定されました。

毎年5月3日、フランス・パリのユネスコ本部では「ギジェルモ・カノ世界報道自由賞」の授与式典が行われます。これはジャーナリズムや表現の自由の分野で世界的な功績を残した人物を表彰するもので、1997年に創設されました。賞の名称は、1986年にコロンビアで武装勢力に暗殺された同国のジャーナリスト、ギジェルモ・カノ・イササの名に由来します。また、50ヵ国以上が加盟する世界新聞協会(WAN)も、アメリカ・アーリントンの「ジャーナリスト記念碑」でこの日前後に式典を開いています。

国境なき記者団(RSF)が毎年発表する「世界報道自由度ランキング」は、この記念日に合わせて注目を集めます。2025年版(180か国対象)では首位がノルウェー、日本は66位でG7加盟国の中で最下位でした。RSFは日本の課題として、大手報道機関に取材機会を限定する記者クラブ制度や、スポンサーとの経済的関係による自己検閲を指摘しています。

国連の推計によれば、2006年から2020年の間に550人以上のジャーナリストが職務中に死亡しており、その大半で訴追は行われていません。世界報道自由デーは、こうした現状をデータとともに示す機会でもあります。