新茶の日 (記念日 5月2日)
「八十八夜に摘んだ新茶を飲むと、病気にならず長生きできる」という言い伝えが日本各地に残っています。新茶の日は、この八十八夜にちなんで設けられた記念日で、静岡県掛川市のお茶専門会社・山梨製茶株式会社の山梨会が制定しました。日本記念日協会に認定・登録されています。
八十八夜とは、二十四節気の立春から数えて88日目にあたる雑節のことです。1985年から2020年までは平年が5月2日、閏年が5月1日でしたが、2021年以降は立春の変動により5月1日・5月2日・5月3日のいずれかになります。新茶の日もこれに合わせて毎年日付が変わります。また、「八十八」という数字を組み合わせると「米」という字に見えることから、農業の重要な節目としても古くから意識されてきました。
この時期に摘み採られる新茶(一番茶)は、樹が冬の間に蓄えた栄養をたっぷり含んでいます。特徴的なのは、うまみ・甘み成分であるテアニンが豊富で、渋み成分のカテキンが少ない点です。テアニンはアミノ酸の一種で、日光に当たるとポリフェノールであるカテキンに変化します。新茶は冬から春にかけて日照が少ない環境で育つため、テアニンが多く残り、まろやかな甘みが生まれます。
夏以降に摘む二番茶・三番茶は、日光を十分に浴びてカテキンが増えるため、渋みが強くなります。同じ茶葉でも摘む時期によってこれほど味が変わるのは、テアニンとカテキンのバランスによるものです。新茶の茶摘みは早朝から始まり、機械摘みが普及した現在でも高品質な産地では手摘みが行われます。手摘みでは芽吹いたばかりの柔らかい新芽だけを丁寧に選んで摘み採るため、香りや味のきめ細かさが際立ちます。日本最大の茶産地である静岡県は国内生産量の約4割を占め、掛川茶や本山茶など銘柄の豊富さでも知られています。
新茶の日を中心として、各地で試飲会や販売促進イベントが開催されます。関連する記念日も複数あり、八十八夜と同日には「緑茶の日」、7月8日は「中国茶の日」、10月1日と10月31日にはそれぞれ「日本茶の日」が設けられています。
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