カルシウムの日 (記念日 5月2日)

カルシウムの日

1911年(明治44年)、大阪・道修町の和漢薬問屋から生まれた「ワダカルシューム錠」は、日本で最初のカルシウム錠剤です。開発したのは和田卯助商店の三代目・和田卯助。当時「不治の病」と恐れられた結核に苦しむ人々を救いたいという一念から、誰も注目していなかったカルシウムに目を向け、製剤化に挑みました。

5月2日は「コ(5)ツ(2)」(骨)の語呂合わせから、「カルシウムの日」として制定されています。

制定したのは、ワダカルシューム錠を製造・販売するワダカルシウム製薬株式会社。丈夫な骨をつくるために欠かせないカルシウムの大切さを広く伝えることを目的とし、2017年(平成29年)に一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されました。

発売当初、和田卯助は大阪駅近くに製剤工場を建設し、1921年(大正10年)から「健康増進・結核予防」のキャッチフレーズで新聞・雑誌に広告を打ちました。しかし反応はなく、まったく売れない時代が続きました。転機が訪れたのは1935年(昭和10年)。婦人雑誌や新聞に「安産のために」という広告を掲載し始めると、出産に命をかけていた時代の妊婦たちの心をつかみ、爆発的な売れ行きへと転じました。現在の「ワダカルシューム錠」は直径わずか7mmの小さな錠剤で、1日量の15錠で645mgのカルシウムを摂取できます。妊娠・授乳期・発育期・老年期の方のカルシウム補給に適しており、子どもからお年寄りまで服用できる飲みやすさも、100年以上愛され続けてきた理由のひとつです。2011年(平成23年)には製造100周年を迎え、現在もカルシウム剤のブランドとして親しまれています。

カルシウムは今日、骨や歯の発育を支えるだけでなく、筋肉・血管の収縮や神経伝達の安定にも関与する、人間の生命維持に不可欠なミネラルとして広く知られています。開発当時、その重要性を見抜いていた人間がごく少数だったことを思えば、和田卯助の先見の明と情熱の大きさが伝わってきます。カルシウムの日は、その歴史に思いを馳せながら、日々の食事や栄養バランスを見直すきっかけにもなる記念日です。