歯科医師記念日 (記念日 5月2日)

歯科医師記念日

医師と歯科医師が、法律の上で完全に別の存在として分かれたのは、明治39年(1906年)のことです。5月2日は、その「歯科医師法」施行を記念して日本歯科医師会が1957年(昭和32年)に制定した「歯科医師記念日」です。

1906年以前、歯科医療の地位は医療全体の中で曖昧な位置に置かれていました。同年に旧「医師法」と旧「歯科医師法」が相次いで施行されたことで、医科と歯科はそれぞれ独立した制度として確立されました。免許制度も分離し、医師と歯科医師はまったく別の国家資格となりました。この分離は、歯科医療が単なる「医療の一部」ではなく、独自の学問体系と専門性を持つ分野として社会的に認められた歴史的な転換点でした。

歯科医師とは、歯学に基づいて傷病の予防・診断・治療を行い、公衆衛生の普及を責務とする医療従事者のことで、一般には「歯医者さん」と呼ばれます。歯科医師になるためには、厚生労働省が指定する大学の歯学科で6年間の教育課程を修了し、歯科医師国家試験に合格する必要があります。合格率はおおむね60〜65%程度で、2017年(平成29年)に実施された第110回試験では、受験者数3,049人のうち1,983人が合格し、合格率は65.0%でした。

現行の「歯科医師法」は、戦後の1948年(昭和23年)に「医師法」とともに新たに施行されたものです。1906年の旧法から約40年を経て、より現代的な医療制度の中に歯科医療が位置づけられました。制定主体である日本歯科医師会(日歯)は、1903年(明治36年)に「大日本歯科医会」として発足した歴史ある組織で、全国の歯科医師を代表する団体として現在も活動を続けています。

歯科医師記念日は、単に法律の施行日を振り返るだけでなく、歯科医療の独立と発展の歴史を広く社会に伝える日として位置づけられています。口腔の健康が全身の健康に深く関わることが明らかになっている今日、歯科医療が担う役割はますます大きくなっています。