スズランの日 (記念日 5月1日)

スズランの日

スズランはかわいらしい見た目に反して、コンバラトキシンやコンバラマリンといった強い有毒物質を含む植物です。特に花と根に毒が集中しており、摂取すると嘔吐・頭痛・めまい・心臓麻痺などを引き起こし、重症の場合は死に至ることもあります。愛らしい姿の裏に危険を秘めているのがスズランという花です。

それでもフランスでは5月1日を「スズランの日(Fête du muguet)」とし、家族や友人、先生などにスズランの花束を贈る習慣が根付いています。贈られた人には幸福が訪れるという言い伝えがあり、この日フランスでは街角でスズランの花が売られる光景が広がります。この習慣の背景には、フランスの伝説があります。森の守護神セント・レオナードが巨大な毒蛇と激しく戦い、ついに退治したものの自身も深手を負ってしまいました。その時、傷ついた彼の周囲にスズランの花がいっせいに咲き、傷と心を癒してくれたというのです。この伝説から、スズランは幸福と回復のシンボルとなりました。

スズランの花言葉は「幸福が帰る」「幸福の再来」「意識しない美しさ」「純粋」など。別名は君影草(きみかげそう)、谷間の姫百合(たにまのひめゆり)とも呼ばれ、どちらも繊細な印象を持つ名前です。花は白色が一般的ですが、桃色や紅色の品種も存在し、いずれも強い芳香を持っています。

日本では本州中部以北から東北、北海道の高地に多く自生しており、北海道を代表する花としても知られています。日本では自生種として親しまれていますが、ヨーロッパではフランスをはじめ広く文化に根ざした花として愛されてきました。小さく愛らしい花が伝説から現代のギフト文化へとつながっている、スズランならではの歴史といえます。