豊後高田昭和の町の日 (記念日 4月29日)
大分県豊後高田市の中心商店街は、昭和40年代以降、大型店の郊外進出や過疎化によって衰退し、「犬と猫しか通らない」と称されるほど閑散とした状態に陥っていました。ところが、その衰退が逆転のきっかけをもたらします。建て替えが進まなかったために昭和30年代以前の古い建物が約7割も残っていたのです。この「弱点」を「強み」として活かす発想から、2001年(平成13年)に「豊後高田昭和の町」プロジェクトが始動しました。商工会議所・商店街・行政が一体となって推進したこの取り組みは、昭和30年代の町並みを意図的に再現するのではなく、もともと残っていた建物群をそのまま観光資源に転換するというユニークな手法を採っています。全長約500メートルの通りには、昭和当時の看板や商品、店の歴史を伝える「一店一宝」の展示が並び、訪れる人々をタイムスリップ感覚で迎えます。
「豊後高田昭和の町の日」は、国民の祝日「昭和の日」(4月29日)にちなんで制定されました。同日には「ちゃぶ台返し選手権」や大道芸祭など、昭和の庶民文化をモチーフにしたイベントが開催されます。ちゃぶ台返し選手権はストレス解消を兼ねたユニークな競技として人気を集めており、全国から参加者が集まります。記念日は一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。
観光施設の目玉となっているのが「昭和ロマン蔵」です。昭和をテーマにした博物館として「昭和の夢町三丁目館」「駄菓子屋の夢博物館」などを擁し、子どもから高齢者まで幅広い世代が楽しめる空間になっています。土日祝日には昭和32年式のボンネットバス(いすゞBX141型)が無料運行され、昭和の雰囲気をより深く体感できます。2017年にはアジア都市景観賞を受賞し、国際的な評価も得ています。
豊後高田市はこの記念日に加え、1月10日を「豊後高田市移住の日」、2月13日を「豊後高田市恋叶ロードの日」、8月10日を「豊後高田市全力発展の日」とも制定しており、独自の記念日を通じた地域ブランディングを積極的に展開しています。過疎化という課題を文化資源の発掘へと転換した昭和の町は、地方創生の先進事例として各地から注目を集め続けています。