国際ダンスデー (記念日 4月29日)
4月28日は、バレエ改革の礎を築いたフランスの舞踏家ジャン=ジョルジュ・ノヴェール(1727〜1810年)の誕生日です。国際演劇協会(ITI)のダンス委員会は1982年(昭和57年)、この日を「国際ダンスデー(International Dance Day)」に制定しました。ITIはUNESCOの舞台芸術部門を担う機関で、ダンスを単なる娯楽ではなく人類共通の文化として位置づけるために、この記念日を世界に広めています。
ノヴェールがバレエ史に残した最大の功績は、1760年(宝暦10年)に発表した著作『舞踊とバレエについての手紙(Lettres sur la danse et les ballets)』です。当時のバレエは仮面をつけた宮廷娯楽の域を出ず、演劇的な意味をほとんど持ちませんでした。ノヴェールはこの書物で、バレエが起承転結のある物語、統一された音楽・美術・振付を持つ芸術形式に変革されるべきだと主張しました。この考え方が19世紀のバレエ・ダクシオン(action ballet)の誕生を導き、今日私たちが知る物語バレエの原型となっています。
バレエ・ダクシオンとは、一貫した演劇的な筋立てのもとで台本・音楽・美術・演出・振付のすべてが構成されるバレエのことです。三一致の演劇法則(時間・場所・行動の統一)を舞踊に適用するという考え方は、当時としては革新的でした。ノヴェールはヨーロッパ各地の宮廷や劇場で活動し、バレエを見世物から芸術へと格上げする運動を実践によって推し進めました。国際ダンスデーには、世界各地でダンスパフォーマンスやワークショップなどさまざまなイベントが開催されます。特定のジャンルにとどまらず、クラシックバレエからコンテンポラリーダンス、民族舞踊まで幅広いダンス文化が取り上げられる点がこの記念日の特徴です。毎年、著名なダンスアーティストによるメッセージが世界に向けて発信され、ダンスが持つ普遍的な表現力と文化的価値を確認する機会となっています。