国際マルコーニ・デー (記念日 4月25日)
1901年12月12日、グリエルモ・マルコーニはカナダのニューファンドランド島で、大西洋を隔てた3,500km先のイギリス・コーンウォールから送られてきたモールス信号「S」の受信に成功しました。それまで誰も成し遂げたことのない大西洋横断無線通信の瞬間です。この偉業から約90年後の1988年、イギリスのコーンウォール・ラジオ・アマチュアクラブ(GX4CRC)が中心となり、マルコーニの業績を称える「国際マルコーニ・デー(International Marconi Day)」が制定されました。
マルコーニは1874年4月25日、イタリアのボローニャで生まれました。20代前半の若き発明家は、ドイツの物理学者ハインリヒ・ヘルツが発見した電磁波を通信に応用することに着目します。1895年、21歳のときに自宅の窓からモールス信号を送り、2.4km先への無線通信に成功しました。これが世界初の無線通信とされています。しかし当時のイタリアはこの発明の価値を認めず、翌1896年にマルコーニはイギリスへ渡ります。
ロンドンで無線電信の特許を取得したマルコーニは、イタリアやアメリカにも無線電信会社を設立し、通信距離を年々伸ばしていきました。1901年の大西洋横断成功はその集大成であり、無線通信が単なる実験から実用技術へと転換した歴史的な画期となりました。この功績が認められ、1909年にはブラウン管を発明したフェルディナント・ブラウンとともにノーベル物理学賞を受賞しています。
「国際マルコーニ・デー」は、マルコーニの誕生日(4月25日)に最も近い土曜日に24時間にわたって開催されるアマチュア無線イベントです。世界中のアマチュア無線局が交信を行い、マルコーニが初めて開いた電波による通信の歴史を体験します。イベントに参加するには、GX4CRCが指定する世界各地のマルコーニゆかりの特別局と交信し、一定数の交信を達成すると記念賞状が発行される仕組みになっています。2016年から2024年にかけての開催日は4月22日〜28日の範囲の土曜日に設定されており、毎年多くの無線愛好家が参加しています。
マルコーニが無線通信を実証した19世紀末から現在に至るまで、電波は気象観測、航空管制、船舶通信、携帯電話など、社会インフラの根幹を担い続けています。「国際マルコーニ・デー」は、その起点となった発明に直接触れる機会として、アマチュア無線家たちに毎年受け継がれています。