川根茶の日 (記念日 4月21日)

川根茶の日

静岡県の大井川上流域で生まれる「川根茶」は、1964年に日本茶業界として初めて「天皇杯」を受賞した銘茶です。

4月21日は「川根茶の日」として、川根お茶街道推進協議会が制定し、日本記念日協会に認定された記念日です。日付が4月21日に設定された理由には、二十四節気と深い関わりがあります。立春から数えて77日目にあたる「七十七夜」は、農作業や茶摘みの目安として古くから使われてきた節目の日。川根茶の産地では、この頃から新茶シーズンが本格的に始まります。7が重なる語呂のよさもあり、新茶の到来を告げるスタートの日として位置づけられました。

川根茶の産地は、静岡県川根本町と島田市川根町にまたがる川根地域です。南アルプスを源流とする大井川が刻んだ谷間に茶畑が広がり、寒暖差の大きな気候と朝霧、清澄な水が茶葉の旨みを育てます。日照時間が短いぶん葉がゆっくりと成長し、甘みと渋みのバランスのとれた繊細な味わいが生まれます。この風味は「天然の玉露」とも呼ばれることがあります。

製法の面でも川根茶には特筆すべき伝統があります。大正期に茶師・中村光四郎が考案した「川根揉みきり流」は、静岡県内の手揉み八流派のひとつに数えられる技法です。またヤブキタ品種の早期導入など、品質向上への取り組みが全国茶品評会での優等受賞につながり、高い評価を維持し続けています。その起源は江戸時代にさかのぼり、豪商・紀伊國屋文左衛門が江戸へ持ち込んで評判を得たという逸話も残っています。

「川根茶」の定義は産地と製造場所の両方に基準があります。川根地域(川根本町・島田市川根町)で摘採された茶葉を、同地区内の製茶工場で加工して出来上がった「荒茶」を使用したお茶のみが、川根茶を名乗れます。「静岡茶」の中のひとつのブランドとして、宇治茶や狭山茶と並び語られることもある銘柄ですが、その個性は大井川の自然環境と長年の技術の積み重ねによって培われたものです。