恐竜の日 (記念日 4月17日)
映画『インディアナ・ジョーンズ』の主人公インディ・ジョーンズのモデルの一人とされる人物が、実際に存在していたことをご存知でしょうか。アメリカの動物学者ロイ・チャップマン・アンドリュース(1884〜1960年)は、クジラ・サメ・ニシキヘビ・オオカミ・盗賊・中国兵といった数々の危機を乗り越えながら探検を続けた冒険家でした。そのアンドリュースが1923年(大正12年)のこの日、ゴビ砂漠へ向けて北京を出発したことを記念して、4月17日は「恐竜の日」とされています。
その後5年間に及んだ探検の最大の成果が、世界で初めての恐竜の卵の化石の発見です。25個もの卵化石が発掘されたこの発見は、当時の科学界に衝撃を与え、その後の本格的な恐竜研究の扉を開きました。アンドリュースはさらに、かつてゴビ砂漠が植物で生い茂った平野であり、大きな湖があったことも証明しています。荒涼たる砂漠の地が、遠い過去には豊かな生態系を育んでいたという事実は、地球の歴史の奥深さを感じさせます。
ところが、この卵化石をめぐっては、発見から70年以上が経った1995年(平成7年)に大きな「誤り」が明らかになります。当初は角竜類のプロトケラトプスのものと考えられていた卵が、実は獣脚類のオヴィラプトルのものであったと同定されたのです。長年にわたって「正しい答え」とされてきた学説が覆されたこの出来事は、科学的知見が常に更新され続けるものだということを示す好例といえます。アンドリュースが残した足跡は化石発掘という科学的成果にとどまらず、彼の探検行そのものが後世の大衆文化にまで影響を与えています。幾度もの死地をくぐり抜けてきた実際の経験が、フィクションのヒーローの原点の一つとなったという事実は、現実の冒険がいかに劇的であったかを物語っています。