ヴィラデスト・田園記念日 (記念日 4月16日)

ヴィラデスト・田園記念日

長野県東御市の丘の上に立つと、眼下に千曲川が光り、遠く北アルプスの峰々が連なる。この絶景の中に広がるブドウ畑と野菜畑、そして醸造所——それが「ヴィラデスト ガーデンファーム アンド ワイナリー」です。4月16日は、エッセイスト・画家・農園主として知られる玉村豊男氏がこのワイナリーを開設した2004年(平成16年)の同日にちなんで制定された「ヴィラデスト・田園記念日」です。一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されています。

玉村豊男氏は1945年東京生まれ。東京大学仏文科を卒業後、パリ大学言語学研究所に留学し、翻訳・通訳業を経て文筆業へと転じました。1977年刊行の『パリ 旅の雑学ノート』、1980年の『料理の四面体』などでエッセイストとしての地位を確立し、後に刊行された『田園の快楽』では自ら耕す農園生活の喜びを綴りました。軽井沢での8年間の暮らしを経て1991年に長野県東部町(現・東御市)へ移住し、ハーブや西洋野菜の栽培をはじめます。その地の風景が、留学時代に何度も訪れたフランスのブドウ畑を思い起こさせたことが、ワイン造りへ踏み出す原点となりました。

移住後、玉村氏はブドウの苗木を植え、1993年から委託醸造による自家用ワイン造りをスタート。2003年に果実酒製造免許を取得し、2004年4月16日、ついに自社ワイナリーとして正式に開設しました。ワイナリーのコンセプトは「田園のリゾート」。この土地の風土を忠実に反映し、世界に発信できるワイン造りを追求しています。ブドウ畑を眺めながらそのブドウから生まれたワインを味わい、ガーデンで育った新鮮な野菜を使った料理を囲む——そうした体験そのものが、このワイナリーが提供する価値です。ヴィラデストのワインは国内外のコンクールで評価を重ね、長野県東御市一帯は「千曲川ワインバレー」として日本ワインの産地として広く知られるようになりました。玉村氏の実践は単なるワイン造りにとどまらず、農業と文化と観光を結びつけた地域づくりのモデルとしても注目されています。「ヴィラデスト・田園記念日」は、一杯のワインの向こうに広がる農と食と風景への深い敬意を、毎年4月16日に思い起こさせてくれます。