世界医学検査デー (記念日 4月15日)
医師が「がんの疑い」と判断するとき、その根拠となるのは画像や症状だけではありません。血液・尿・組織などの検体を分析した検査データです。その検査を担うのが臨床検査技師であり、毎年4月15日の「世界医学検査デー」は、この職種と臨床検査の重要性を広く社会に伝えることを目的として制定されました。
1996年(平成8年)6月、ノルウェーで開催された世界医学検査協会(IAMLT)の代議員会で制定されました。英語名は「World-wide Biomedical Laboratory Science Day」です。この日を中心に、その年のテーマに沿った広報活動が各国で展開されています。
臨床検査技師の業務は大きく「検体検査」と「生理機能検査」の2種類に分かれます。検体検査では、血液・尿・便・組織などを対象に、生化学的検査(血液成分の化学分析)、血液学的検査(血球数・機能)、微生物学的検査(感染症の原因菌の特定)、病理・細胞診検査(ガラス標本作成)などを実施します。生理機能検査では患者の体を直接調べる心電図・脳波・超音波(エコー)・呼吸機能検査などを担います。診断の「根拠」を提供するという性質上、検査結果の精度は医療の質に直結します。2020年以降、PCR検査を通じて臨床検査技師の存在が広く認知されましたが、実際には感染症・がん・循環器疾患・生活習慣病など、あらゆる医療の場面で検査データが不可欠です。根拠に基づく医療(EBM)の実践において、臨床検査技師は欠かせない役割を果たしています。
2014年(平成26年)のテーマは「倫理綱領」でした。倫理綱領とは、専門職団体が職業倫理を行動規範として成文化したもの。一般社団法人・日本臨床衛生検査技師会の倫理綱領では、「臨床検査の担い手として国民の医療及び公衆衛生の向上に貢献する」「高い専門性を維持することに努める」などが定められています。世界医学検査デーは、こうした専門職としての社会的責任を改めて確認する機会でもあります。