タイルの日 (記念日 4月12日)
1922年(大正11年)4月12日、東京・上野で全国タイル業者大会が開催されました。この日、それまで「化粧煉瓦」「貼付煉瓦」「敷瓦」「腰瓦」など25種類以上にも及んでいた呼び名を「タイル」の一語に統一することが宣言されました。以来100年以上、建材としての「タイル」はこの名称で呼ばれ続けています。
日本における建築用タイルの歴史は、明治期の西洋建築の普及とともに始まります。愛知県の常滑・多治見を中心とした産地が形成され、窯業の技術基盤を生かした国産タイルの生産が本格化しました。名称が乱立していた背景には、瓦職人・煉瓦職人・陶磁器業者など異なる職種が独自の呼称を使い続けていた事情があります。全国から業者が東京に集まった大会は、その混乱を解消するために開かれたもので、「タイル」という呼び名はもともと英語の「tile」に由来します。名称統一により業界の商取引や設計図面での表記が整理され、その後の普及に大きく貢献しました。
「タイルの日」は、名称統一から100年を迎えた2022年を機に、愛知県名古屋市に本部を置く全国タイル工業組合が制定し、2021年(令和3年)に一般社団法人・日本記念日協会により認定・登録されました。4月12日という日付は、業者大会が開かれたその当日に由来しています。
タイルは現在、マンションや商業施設の外壁、浴室の壁・床、駅構内の内装など、日常生活の至るところに使われています。耐水性・耐候性・耐火性に優れ、適切なメンテナンスのもとでは数十年単位で性能を維持できる建材です。近年では調湿機能を持つ内装タイルや、光触媒による汚れ防止機能を持つ外壁タイルなど、機能面での開発も進んでいます。記念日制定の目的は、こうしたタイルの魅力をより多くの人に伝え、身近な建材として改めて認識してもらうことにあります。