教科書の日 (記念日 4月10日)

教科書の日

毎年4月、新しい教科書を手にした子どもたちが新学期を迎えます。その教科書が無償で支給されるようになったのは、1963年(昭和38年)のことです。小学1年生から始まったこの制度は学年進行方式で拡大され、1969年(昭和44年)にようやく小・中学校の全学年に無償支給が完成しました。現在も続くこの仕組みを知っている保護者は、意外と少ないかもしれません。

4月10日は「教科書の日」です。2010年(平成22年)に一般社団法人 教科書協会が制定しました。日付には2つの理由があります。ひとつは、4月が新学年・新学期の始まりで、新しい教科書が児童生徒の手に渡り、保護者の関心も高まる時期であること。もうひとつは、「よ(4)いとしょ(10)」、つまり「良い図書」と読む語呂合わせです。

記念日の目的は、より多くの人に教科書の役割を知ってもらうことと、教科書制作に携わる人たちが仕事の大切さを再確認することにあります。

教科書は、どの出版社のものでも自由に使えるわけではありません。文部科学省が公示する「教科用図書検定基準」に合致した教科用図書だけが使用できます。この検定基準は学習指導要領に準拠しており、内容の正確さや教育的な適切さが厳しく審査されます。子どもたちが手にするあの一冊は、長い審査過程を経て学校に届いているのです。

無償支給の対象は小・中学校の教科書のみで、財源は税金です。1冊あたりの平均単価は教科や学年によって異なりますが、国が毎年数百億円規模の予算を投じています。高校の教科書は有償ですが、就学支援金制度など別の仕組みで費用の一部が補助される場合があります。4月10日は、日常では意識しにくい教科書のコストや制度を振り返るきっかけとして設けられた日です。