四万十の日 (記念日 4月10日)

四万十の日

「日本最後の清流」と呼ばれる四万十川は、実は長らく正式名称を持たない川でした。河川法上の正式名称は「渡川(わたりがわ)」で、「四万十川」に改名されたのは1994年(平成6年)7月25日のこと。一級河川の名称変更はこれが全国初でした。

江戸時代には「四万十川」と書いて「わたりがわ」と読まれていたこともあり、「四万渡川」と記されることもありました。時代を経るうちに省略され「渡川」という呼称が定着したと考えられています。その後、地元の人々が長年親しんできた「四万十川」という名称が正式に復活したわけです。

4月10日の「四万十の日」は、1989年(平成元年)に高知県中村市(現・四万十市)の「四万十の日実行委員会」が制定しました。「しまんと(4)・10(と)」という語呂合わせが由来で、四万十川の自然を守ることを目的としています。全長196km、流域面積2186km²の一級河川で、本流に大規模なダムが建設されていない点が、この川のもっとも際立った特徴です。

「日本最後の清流」「日本三大清流の一つ」(静岡県の柿田川・岐阜県の長良川とともに)という呼び名は広く知られていますが、政府による科学的な水質調査では全国の調査対象河川の中で際立って水質が良いとは言えないとされています。清流のイメージは、豊かな自然景観や人の手が加わっていないダムのない流れから生まれた、いわば「総合的な印象」といえます。「名水百選」「日本の秘境100選」にも選ばれており、その評価は水質だけでなく、流域の自然環境の豊かさに基づいています。

川沿いには支流も含めて47か所の沈下橋が点在しています。沈下橋とは増水時に水面下に沈んでしまう欄干のない低い橋のことで、水の流れを妨げず、流木も引っかかりにくい構造です。高知県は1993年(平成5年)にこれらを生活文化遺産として保存する方針を決定しており、四万十の風景に欠かせない存在として今も大切にされています。