子宮頸がんを予防する日 (記念日 4月9日)

子宮頸がんを予防する日

子宮頸がんは、定期的な検診と適切な予防行動によって防ぐことができる数少ないがんのひとつです。4月9日の「子宮頸がんを予防する日」は、東京の特定非営利活動法人「子宮頸がんを考える市民の会」が制定し、一般社団法人「日本記念日協会」に認定・登録された記念日です。日付は「し(4)きゅう(9)」と読む語呂合わせに由来しています。

子宮頸がんは、子宮のうち膣に近い入り口部分(頸部)に発生するがんです。近年では20〜30代の若い世代での罹患が増加傾向にあり、若い女性にとって身近な健康課題となっています。最大の特徴は、がんへと進行する前の「前がん状態(異形成)」の段階で発見・治療できることにあります。この点で、子宮頸がんは「予防できるがん」として医療の世界でも特別な位置づけがされています。

原因となるのは、HPV(ヒト・パピローマウイルス、別名ヒト乳頭腫ウイルス)というウイルスです。性交渉を通じて感染するもので、性交経験を持つ人の多くが一生のうちに一度は感染するとされています。ただし、感染したとしても、大多数の場合は自身の免疫力によってウイルスが自然に排除されます。問題となるのは、10人に1人程度の割合で感染が長期間持続してしまうケースです。持続感染が起きた場合でも、ただちにがんになるわけではありません。ウイルス感染から「異形成」、そして「子宮頸がん」への進行には、平均で数年から10年以上という長い年月がかかります。

この緩やかな進行のプロセスこそが、定期検診の有効性を高めています。子宮頸がん検診では、異形成の段階でも異常を検出することが可能です。検診で前がん状態を早期に発見すれば、がんになる前に治療でき、子宮を温存できる可能性も高くなります。日本では自治体による無料または低価格の検診制度が整備されていますが、受診率は他の先進国と比べてまだ低い水準にとどまっています。

「子宮頸がんを考える市民の会」は、この記念日を中心にセミナーや啓発活動を実施し、検診受診の重要性や正確な知識の普及に取り組んでいます。なお、同会は1ヵ月前の3月9日を「子宮体がんの日」としても定めており、子宮に関するがん全般への意識向上を継続的に呼びかけています。子宮頸がんと子宮体がんは発生部位も原因も異なるがんであり、それぞれに適した予防・検診の方法があります。

がんの予防という観点では、HPVワクチンの接種も選択肢のひとつです。ワクチンはHPV感染そのものを予防する効果があり、子宮頸がんの原因となるウイルス型への感染リスクを下げることが報告されています。ただし、ワクチン接種を受けたとしても検診は引き続き必要とされており、ワクチンと検診の両方を組み合わせることが重要とされています。4月9日を機に、自身の検診状況を確認してみることも一つの行動です。