折り紙供養の日 (記念日 4月8日、10月5日)

折り紙供養の日

使い終わった折り紙をただ捨てるのではなく、感謝を込めて供養する——そんな考えを広めたのが、折り紙作家・河合豊彰(1932〜2007年)です。河合氏は東京生まれで「河合豊彰創作折り紙研究会」を主宰し、写実的な作風でつくった「おきな」や「はんにゃ」の面などで知られる折り紙の第一人者でした。カラーブックスシリーズの著書は30万部を超えるベストセラーとなり、後進の作家や愛好者に広く影響を与えました。

折り紙供養の日は、その河合氏が提唱した記念日で、年に2回設けられています。4月8日と10月5日の2日間です。日付の選び方に、河合氏の折り紙観がよく表れています。

4月8日は「花祭り」と呼ばれる仏教行事の日です。仏教の開祖・釈迦の誕生を祝うこの日、寺院では誕生仏に甘茶を注ぐ儀式が行われます。10月5日は禅宗の開祖・達磨大師の命日「達磨忌」にあたります。誕生と入滅、ふたつの節目をあえて選んだことで、折り紙の「生まれてから役割を終えるまで」という一生を重ねているともいえます。

折り紙は紙を折るだけのシンプルな工芸でありながら、作り手の時間と思いが込められた作品です。学校の授業や子どもとの遊び、病院のベッドサイドでの時間つぶし、あるいはコンテスト向けの精巧な造形——用途は様々ですが、役割を終えた折り紙は多くの場合、そのままゴミ箱に入ります。供養の日は、その行為に少し立ち止まる機会を与えてくれます。

供養の方法に決まりはありません。寺院や神社でのお焚き上げを利用する場合もあれば、個人が手を合わせるだけの場合もあります。大切なのは、紙に向き合った時間を振り返る気持ちです。日本では道具や人形への「魂」を認める文化が根強く、針供養・人形供養・筆供養など様々な供養の習慣があります。折り紙供養の日も、そうした日本固有の物に対する感謝の風土の中に位置づけられます。

河合豊彰氏が2007年に亡くなった後も、この記念日は折り紙愛好者のあいだで受け継がれています。年に2回、仏教の大きな節目の日に、自分が折った紙に思いを馳せる——それが折り紙供養の日の過ごし方です。