指圧の日 (記念日 4月8日)

指圧の日

痛みを感じた場所に、思わず手が伸びる。その原始的な本能こそが、指圧という治療法の出発点です。

指圧の創始者・浪越徳治郎は、7歳で香川から北海道へ移住した直後、体調を崩した母親に対し、少年ながら凝った部分を親指で押し続けました。その手応えが、後に世界へ広まる「SHIATSU」の原点となります。浪越は試行錯誤を重ねながら指圧を体系化し、1926年に北海道室蘭で世界初の指圧専門治療院を開院しました。1934年には『指圧療法と生理学』を著し、経験的な技法に科学的な裏付けを与えようとしました。1940年には日本指圧学校を開校。指圧はその後、1957年に厚生省から定義が公式に認定され、1964年に「あん摩マッサージ指圧師」として国家資格の一部となりました。民間の知恵が、約半世紀をかけて制度に組み込まれた経緯です。

指圧の基本は、手指を使って人体の表面に圧を加えることです。全身に定められたツボ(指圧点)を適切な力で押すことで、人間が本来備えている自然治癒力の働きを引き出し、体調を整えます。マッサージが「さする・もむ」動作を主体とするのに対し、指圧は「押す」という一点に集中した技法である点が異なります。道具を使わず、術者の手指だけで完結するシンプルな構造が、国際語「SHIATSU」として海外でも受け入れられた理由のひとつです。

4月8日は仏教の開祖・釈迦の誕生日に当たります。日本指圧協会は、慈悲の心をもって生きとし生けるものを救うという釈迦の精神が指圧の「母心」に通じると考え、この日を「指圧の日」として制定しました。「し(4)あつ(8)」という語呂合わせも重なります。記念日は一般社団法人・日本記念日協会に認定・登録されています。