世界ロマの日 (記念日 4月8日)
1971年4月8日、ロンドンに世界各地からロマが集まり、第1回「ロマ国際会議」を開催しました。そこで参加者たちは、「ジプシー」「ツィゴイナー」といった他者から押しつけられた呼称をすべて否定し、「今日から我々はロマである」と宣言しました。この日を記念し、1990年の国際ロマ連盟総会で4月8日が「世界ロマの日」として制定されました。
「ロマ(Roma)」とは、ヨーロッパに暮らす移動型民族のうち、主に北インドやパキスタンに起源を持つロマニ系の人々を指します。独自の音楽と踊りの文化を持ち、フラメンコの原型ともされる音楽は現在も広く知られています。ヨーロッパ各地に分散して生活しており、その人口は推定で数百万人に上るとされています。
ナチス・ドイツは1935年、ロマを「劣等民族」と見なす法律を施行し、選挙権の剥奪、非ロマとの婚姻禁止、商売・就学・国内移動の禁止などを定めました。第二次世界大戦中にはユダヤ人へのホロコーストと同様に組織的な虐殺の対象とされ、約50万人のロマが殺害されたとされています。ロマ語ではこの虐殺を「ポライモス(Porajmos)」と呼びます。「飲み込み」「破壊」を意味するこの言葉は、ロマ自身がその歴史的惨禍を表現するために用いてきたものです。しかし戦後のドイツ政府はロマへの迫害を長年にわたって正式な犯罪と認定しませんでした。ナチスによるロマ虐殺がドイツ政府によって公式に認定されたのは1982年のことで、ユダヤ人のホロコーストが早期に国際社会で認知されたのとは対照的な経緯をたどりました。
世界ロマの日は、こうした歴史への関心を促し、ロマの文化と権利を記念する日です。